自然保護か駐車場か。揺れる観光都市「伊勢」

2033年の式年遷宮を控える伊勢市。

伊勢神宮周辺では、慢性的な交通混雑への対応として、公園を活用した大型立体駐車場計画(約800台規模)が議論されています。この問題は、単純な「開発か自然保護か」ではないと感じます。

南伊勢町に暮らした十数年、私は伊勢の交通事情を見てきました。

繁忙期の内宮周辺では、

  • 深刻な交通渋滞
  • 駐車場待機列の発生
  • 救急車両通行への影響
  • 住民生活への負荷

が現実の課題として存在しています。

行政が何らかの対応を迫られるのは当然でしょう。

しかし一方で、ここで問われているのは、**「伊勢はどのような観光都市を目指すのか」**という中長期ビジョンではないでしょうか。

駐車場整備は、短期的には受入能力向上につながります。

ただ、観光政策の観点から見ると、

「需要増に対して供給を拡張する」のか、
それとも
「公共交通・パーク&ライド・需要分散によって持続可能な訪問モデルを設計する」のか、

という選択にも見えます。

私は熟考の末、今回の立体駐車場建設への反対署名に賛同しました。

理由は、渋滞対策の必要性を否定するためではありません。

むしろ、伊勢神宮という特別な場所だからこそ、“アクセスのしやすさ”だけを最適化しない観光設計もあり得ると考えるからです。

オーバーツーリズムが世界各地で課題化する中、観光都市に求められるのは「より多く呼ぶこと」だけではなく、「どのように迎えるか」の設計なのかもしれません。

皆さんなら、伊勢のような宗教文化都市の交通・観光政策を、どう設計しますか?

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